営業を始めて6~7年目くらいで特に印象に残っている商品は
ボディピアスと受注制作していた手編みニット帽。
当時、ピアスホールの流行はサイズが大きくて、
サージカルスチール(医療用ステンレス)やアクリルで出来たピアスは
雑誌の通販(?!)か当店でしか購入できなかったのです。
ニットの帽子は、コットン糸で頭にフィットするイスラム帽タイプのものや、
ドレットヘアが全部収まるゆったりしたタム帽など。
私の小学校以来のカギ編みの腕前を使って、
一ヶ月に20個くらい作り上げていました。
どちらも、沢山のお客様の強いご要望があっての事で、
あらためて口コミは強い力だなと感じました。
そんな状況で商売は楽しく、来店されるお客様との会話も
申し分ないほど充実していました。
しかし、前にも書かせてもらった問題以外にも、頭を悩ませていたのです。
エスニック雑貨を扱っていく商売自体が岐路に差し掛かっていました。
その頃、インドの衣類やバリの置物などは日本の市場で人気を得て、
一般的なショッピングビルに民族的な物を扱う店が増えて来ていました。
自社で商品をすべて企画、デザインして、インドの自社工場で作り上げ、販売網もしっかりある。
そんな、会社組織のエスニック屋が増えつつある時代に、
当店のように
「民族の楽器や服が大好き!」だけが原動力の商売は
先が見えてきてる感じがしました。
楽しい、わくわくする雑貨を提供しつづけるには、一店だけの個人店では限界があったのです。
そして、「誰も知らないエスニック雑貨を紹介したい!」と言う使命はある意味、達成した状態でした。
つづく