印度屋ヒストリー その10
「えっ!店がなくなるの巻き」
この時期、銀製アクセサリーの人気は勢いを増して、口コミのお客様も
どんどん増えていきました。
お陰様で休日ともなると狭い店内は、満杯の日が続きました。
反面、店の狭さやこれからの方向性に悩んでいた頃でもありました。
そんなそろそろ9年目を迎えるある年、商店街の取り壊しの話が出ました。
前にも書いたように、当店は昔ながらの奥まった商店街の中にありました。
商店街の他の店主(場所を借りて営業している若者以外)は
結構なお年で引退を考えている人も多かったかもしれません。
だから毎年、建替え、取り壊し、売り渡しと言った話が出ては消えしてました。
その年に取り壊しの話が出た時も、「またか~」と言ったくらいで気楽に構えて
あまり真剣に考えいなかったのです。
しかし、商店の2代目店主達の強い意思で買い手も将来の展望も無いまま
取り壊される事が決定してしまったのです。
猶予は半年。
それからの私は、店舗と住まい(商店街の中で住んでました)探しの毎日。
必死に空き店舗やアパートを探しました。
当時、娘は小学校2年生だったので学校の心配もあったのです。
一方、夫は
「見つからなかったら、どこかに荷物を預けてまた旅するのもいいなあ」
などと、のん気に構えてます。
そんなある日、近所のお城のそばを家族で散歩している時に、
小さい要塞の様な古い家を見つけて、夫がこの建物はいったい何なんだ
と興味を持ったのです。
つづく